ボリビアのエボ・モラレス大統領が10日に辞任したことを悲しむ人はいないだろう。しかし、ボリビアの明日は、新たな選挙を行い、合法的な政府を復活させることができるかどうかにかかっている。2006年から権力の座にあったモラレス氏は、大統領選挙が行われた10月20日から大規模な抗議行動が続く中で辞任した。選挙監視団によれば、選挙では不正が横行していた。軍の司令官が、国の利益のためにモラレス氏は権力の座を降りるべきだとの考えを示唆したことを受け、同氏と彼の主な側近たちは辞任した。ただし、軍は権力掌握の動きは見せなかった。前大統領は、自らが「クーデター」の被害者だと主張しているが、当選のために再び選挙の不正操作を画策した自らの行動の犠牲者だと言う方が正確だろう。選挙を監視した米州機構(OAS)は10日、監査の結果、深刻な不正と「明確な操作」が明らかになったと報告した。