国際法の視点を持たずして
日本国憲法は理解できない

 憲法学者による憲法9条解釈について詳しく述べてきたが、篠田氏は、憲法学者の考え方に欠けているのは国際法的な発想だと言う。

「これまで説明してきたことからもわかるように、特に憲法9条は国際法と密接な関連性があります。にもかかわらず、ほとんどの憲法学者は、国際法を知らないのか、まったく言及しないのです。私への批判も『国民目線から離れている』『アメリカに従属する気か』といった政治的反感や感情論ばかりで、専門家らしい法律論としての反論や批判が皆無なのは、おかしいでしょう」

 2018年10月30日、韓国大法院が新日鉄住金に対して、元徴用工への補償を命じた。その判決に関して、日本政府は「1965年の日韓請求権協定で完全かつ最終的に解決済みで、この判決は国際法に照らしてもあり得ない」と主張している。

 韓国司法の国際法違反とも取れる判決に、日本国内でも批判が高まっているが、日本の憲法学者の9条解釈も国際法を理解していない点では同じ穴のムジナなのだ。われわれ日本人も国際法を踏まえた上で、憲法9条を理解しなければいけないようである。