事実上の“高市応援団”、「国力研究会」結成に見え隠れする「高市囲い込み」の思惑事実上の“高市応援団”といえる議員グループ「国力研究会」。発起人には自民党副総裁の麻生太郎(写真右)らが名を連ねる Photo:JIJI

 1998年6月、当時の米大統領、ビル・クリントンは日本を素通りして中国を訪問した。このクリントン外交に日本政府は強い衝撃を受けた。いわゆる「ジャパン・パッシング」である。日本がバブル経済の崩壊によって勢いを失った結果、国際政治と経済の重要な場面において日本抜きで物事が進むジャパン・パッシングが常態化した。米国とイスラエルのイラン攻撃に端を発した中東情勢を巡る和平交渉やホルムズ海峡の封鎖問題解決でも日本の存在感はないに等しい。

 そして首相の高市早苗が頼みとする米大統領、ドナルド・トランプが5月13日から訪中したが、今や日本国内から「ジャパン・パッシング」との指摘すら聞こえてこない。冷え切った日中関係を反映するかのように米中首脳会談を前にトランプや側近の米財務長官ベッセントに日本の考え、意向を託すというプロセスが踏まれた。しかもそのトランプ自身がイラン情勢に足を取られて“火だるま状態”。自民党の非主流派幹部は強い危機感を募らせる。

「首相のトランプべったりが、日本にとってマイナスになってきている」

 結局は日本自身で日中関係の改善に向けた扉を開けるしかないが、高市の言動からはその片鱗すら感じられない。高市は5月1日にも記者団に従来の考えを繰り返した。

「日本は常に対話にオープンだ。戦略的に対応したい」