サウジアラビアの首都リヤド。ステージ前はぶつかり合いながら踊る群衆で埋め尽くされていた。ジャマイカのラッパー、ショーン・ポールが歌うのに合わせ、若い男女がiPhone(アイフォーン)をかざして体を揺らしながら口ずさんだ。「君の体に恋してる・・・シーツからその香りがする」白いTシャツ姿で緑の国旗をスカーフのように首に巻いたサウジ人の若者が、隣で踊っていた観光客の女性とハイファイブをした。「ようこそ、新たなサウジアラビアへ!」。欧州から来たこの女性は、全身を覆う伝統服のアバヤを着ていなかった。王位を継承するサウド家は政治的な締め付けを強めているが、社会の自由化は加速させている。イスラム教発祥の地であり禁欲的なサウジ王国で、日常生活の多くの面に開放感がもたらされている。
サウジ社会変革、娯楽切り札に政治弾圧の闇も
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