ドナルド・トランプPhoto:Reuters

――筆者のデレク・T・ミュラー氏はペパーダイン大学の法律学教授

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 米大統領職に年齢の上限を設けるべきだろうか。すでに候補者乱立で高齢者の多い民主党の指名候補争いだが、77歳のマイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長が新たに参戦しそうだ。78歳のバーニー・サンダース氏は先月に入院した。陣営は「胸部不快感」だと表現していたが、心臓発作だったことが分かった。2016年9月には、当時68歳だったヒラリー・クリントン氏が肺炎の診断を受けていたが、陣営は同氏が脱水症状でふらつく姿がカメラでとらえられるまで、それを隠していた。

 精神面の健康も心配だ。選挙遊説での「失態」は、候補者の年齢によるものではないのか、もっと大きな健康上の問題の兆候なのではないか、という疑念を見ている者に抱かせる。有権者には知りようがない。

 2016年の選挙期間中、医師らの書簡には以下のように書かれていた。クリントン氏の「健康状態は極めて良好で、大統領としての職務にかなう」と。トランプ氏は「これまで大統領に選出された人の中では最も健康だ」と。これらは価値判断であって医療診断ではない。