男性ホルモン=「テストステロン」は、体調を左右するホルモン。たとえば、快楽物質の「ドーパミン」や「ノルアドレナリン」、快眠を促す「メラトニン」などのホルモンの分泌を促したり、女性ホルモンを作り出したりします。
不足してしまうと、体調不良の一因にもなるこのテストステロンと上手に付き合う方法が書かれた書籍『「男性医学の父」が教える最強の体調管理』から抜粋して編集、ご紹介します。
早い人は30代から減り始めてしまうこのホルモンを、どのようにして攻略していけばいいのかがわかります!
男性の1/10の量で女性にも存在。
元気のもとになるホルモン
テストステロンは「男性ホルモン」ですが、女性にも存在します。
テストステロンといえば、筋肉や骨の発達を促進するので「男らしさ」を象徴するものを作る働きがあります。たとえば肩幅を広くしたり、胸板を厚くしたり、太ももを太くしたりと、いわゆる「たくましい体」をつくります。
ヒゲが生えたり、毛深かったりするのも、テストステロンの働きです。思春期の男の子の「声変わり」もそう。
また、「男は血の気が多い」と言われますが、実際に赤血球の数が、女性よりも十パーセントほど多く、これも、テストステロンの赤血球増加作用の影響によるものです。
赤血球は、ご存じのとおり体内で酸素を運ぶ役割を担っています。よって、赤血球が多いと体のすみずみまで酸素が行きわたるので、運動能力が高くなります。
「血の毛の多い」はずの男性でも、高齢になってくると貧血を起こしやすくなるのは、テストステロンが減ってきたことで、赤血球の数が少なくなっているからです。このようにテストステロンは、男の姿かたちをつくるだけでなく、毎日の生活を元気に過ごすためにも、なくてはならないものです。
そして忘れてはならないのは女性ホルモンが男性ホルモンから作られていることですが、不思議なことに、産婦人科の教科書にも内科の教科書にも、女性にも男性ホルモン(テストステロン)が存在することはあまり書かれていません。
女性は男性の約10分の1の量ですが、男性ホルモンを持っています。
更年期になり、女性ホルモンがガクッと減った後でも、男性ホルモン値はキープされているので、元気さを維持できているのです。しかし、更年期後の女性になると、その男性ホルモンさえも減少して、虚弱症候群に襲われる方も少なくありません。