老後を見据えた
単身者の家の買い方

 住宅ローンは35年で終わるが、家賃は一生続く。30歳なら60年間支払いが続く。これだけを見ても、生涯支払い住居費の効率は持ち家に軍配が上がる。家を買うことをためらってはいけない。そのために必要なのは初期費用の支払い能力になる。今は諸費用ローンがあるとはいえ、物件価格の約8%が手元資金としてないと、引っ越し代やカーテン代などが心許ない。

 物件選びは都心の駅近の物件を選ぼう。ファミリータイプよりも単身向けの物件の方が立地条件は厳しくなる。推奨は山手線の内側で、駅徒歩4分以内だ。価格は張るが、売ることを前提に考えると、この条件を満たしてほしい。

 一般的にファミリータイプよりも面積が小さくなり、50平方メートル未満になると住宅ローン控除の対象からも外れる。こうなると売りにくくなるものだが、前述の条件をクリアすると、稀少性から取引はスムーズに行えることがわかっている。

 こうして選んだ物件はいつでも売ることができるので、引っ越しができるということだ。結婚して新居に移転してもいいし、転勤になったら他人に貸してもいい。その際に、家賃でローン返済できるのが1つの目安になる。そのためには、家賃は物件価格の3.5%以上欲しいところだ。

 これらの条件を満たせば、「住んでよし、売ってよし、貸してよし」の3条件をクリアしたことになり、単身者の自宅購入の成功が約束される。簡単な条件なので、我が事として動いて、資産形成するだけでなく、老後のキャッシュフローを軽くしておきたいところだ。

(スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント 沖 有人)