そんなに食べていたはずがないと主張する人もいるようですが、宮沢賢治の『雨ニモマケズ』には『1日ニ玄米四合』食べるとあります。『雨ニモマケズ』がまとめられたのは昭和6年。それを考えると、江戸時代の人たちが玄米を1日5合食べていたとしても不思議はありません」

 玄米100グラムに含まれる食物繊維はおよそ3グラム。5合の玄米の重さは約780グラムなので、これだけで23グラムもの食物繊維が取れる計算になる。

「厚生労働省が定める食物繊維の所要量は(成人男性で)1日20グラムですから、主食だけでクリアできてしまうわけです。現代の日本人は、1日わずか1~2グラムしか取っていない人も大勢います。便秘になるのも当然でしょう」

 さらに中島教授は、「排便量」の差にも注目する。

「イギリスの外科医、デニス・バーキット博士の調査によると、ケニア人の排便量は1日約520グラム。ケニアの人々には、ほとんど便秘が見られないのですが、その理由は食物繊維の多い炭水化物を主食にしているお陰で便の量が多く、食物が腸にとどまる時間も短いためといわれています。日本人は200グラムですから、その差は2.6倍。ただ戦前の日本人は現在の倍の400グラムほどの排便量があり、食物繊維も1日30グラムも取っていたそうですから、ずいぶん変化したんですね。便秘も増えるわけです」

排便の理想のスタイルは
角度35度の前傾姿勢

 もう1つ、中島教授が便秘の元凶としてあげるのが「洋式トイレ」だ。

「以前、90歳の女性の患者さんが、便秘になると最寄り駅にある和式のトイレを使わせてもらっていると話していました。自宅のトイレは洋式なのでうまく排便できないけれど、和式ならできるというのです。そうだろうなと思いました。