そして現在では、独身の日が大騒ぎのイベントとなり、1年で一番買い物される日にまで成長しました。中国最大手のオンラインストアであるアリババは、毎年独身の日の売り上げ記録を更新し続け、2019年の独身の日は1日で4.1兆円の売り上げをたたき出しました。これは日本のイオンのほぼ半年分の売り上げに匹敵します。

消費者側に「買い物」を
促す動機付けはあるのか

 この中国の独身の日の成功が日本のブラックフライデーと違う点は、買う側の消費者に理由がある点です。この日はとにかく、独身だからこそできる贅沢をする。それがバレンタインやハロウィンと同じように、それまでなかった新しい需要を生んでいます。

 もちろん、独身ではない人もとにかくこの日が安いから一緒になって買い物をしているという事実はあります。とはいえ、やはり根底に需要が創造される理由付けがきちんとなされている点が、イベントとして強いと感じるわけです。

 そう考えると、日本のブラックフライデーにはあと一歩、無駄遣いをするための理由がほしいと私は思います。それがあれば、日本企業はきっともっと儲かるでしょう。

 さて、アマゾンが参入する今年のブラックフライデーには、どんなことに注目したらいいでしょうか。中国の独身の日には、スマホ経由の注文がインターネット通販需要の9割を占めたといいます。ですからアマゾンが参入する今年のブラックフライデーにおいても、スマホ需要がどれだけ増やせるかが1つの注目点だと思います。

 中国では独身の日にちなんだ11.11元のような価格設定が目立ちましたが、日本はブラック(黒)にちなんだ960円のような価格設定が多いそうです。アマゾンではコミックスなどの電子書籍が96円になるそうですから、私もビジネス書などで掘り出し物が出ないか、ちゃんとチェックしてみたいと思います。

 今年はどんな「おトク」が待っているでしょうか。今週末は評論家の立場を離れて、一消費者として消費を楽しんでみたいと思います。

(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)