アマゾンの「置き配」が日本で成功しにくい根本的な理由
アマゾンが岐阜県多治見市で実証実験をしている「置き配」からは、いくつかの課題が見えてきそうだ(写真はイメージです) Photo:PIXTA

郵便受けに入っていた配達物がない!
アマゾンは補償してくれるのか

 もう7~8年前だと思いますが、こんなことを体験しました。事務所からクライアントの会社へ急いで出かけたときの話です。当時の事務所の郵便受けは、1階玄関の入り口にありました。エレベーターを降りてそこを抜けようとしたときに私の目に映ったのが、自分の郵便受けから大きく飛び出た荷物。アマゾンからの郵便物が、郵便受けに入り切らない形で配達されていたのです。

「あれは危ないな」と瞬間的に思ったのですが、あいにくそのときはクライアントとの打ち合わせに遅刻しそうで一刻を争う状態だったので、気持ちの余裕がなく、そのまま外に出て走り、地下鉄の駅に向かったわけです。

 で、その日の夕刻、事務所に戻ってみると、郵便受けにはその配達物が「ない!」。間違いなく盗まれたのでしょう。それでふと頭に浮かんだのが、「これ、弁護士ドットコムで記事になったらどっちが悪いんだろう?」ということでした。そもそもアマゾンで無人の家に荷物が置かれるとき、どういう責任の所在が前提になっているのか、そのときまで考えたこともありませんでした。

「確か、楽天市場でメール便を選んだら、『届かなかった場合の補償はありません』と書いてあったな」といった記憶も、頭の片隅をよぎります。「しかも今回、届いたのを見ちゃったからなあ」とも思いました。

 それで、とりあえずアマゾンの注文履歴を見たら、まだ受け取っていない本が1冊、配達完了になっていました。「これだな、さっき届いていたのは」と思いながら、おそるおそるアマゾンのコールセンターに連絡をとってみたのです。

 一応、嘘をついてはいけないのでこちらも考えて、「注文した商品が配達完了になっているのですが、郵便受けには入っていないのですけれど」と話してみました。すると、「確認するので少々お待ちください」と言われた後、ほんのしばらく待ったところでオペレーターが回線に戻ってきて、こういうのです。