このときに、自分が話している内容だけでなく、周囲の環境や、相手の反応もイメージすることが重要です。イメージとは、五感を総動員する作業。スポーツの場合なら視覚だけでなく体感のイメージが重要なのですが、仕事の場面では、むしろ大事なのは相手やその場の雰囲気です。それを考えずに自分のことだけイメージしても、ただの一人芝居になってしまう。そこで、会議室に机がこう並んでいる、部屋はちょっと暖房がききすぎているな、と思い浮かべていくことから始めて、目の前の光景をイメージします。大きくうなずきながら話を聞く部長、すぐに首をかしげるクセがあるA課長など。自分のひと言で、A課長から質問の手が挙がるかもしれない。こんな質問がきたら、自分は呼吸を整えてこんなふうに答える。すると、A課長が満足そうな顔をする。発表を終えて資料をそろえながら席につく。興奮して上気している。部長が拍手をした。課長たちも続いて拍手を始めたぞ…。

 つまり、視覚だけでなく、肌で感じる温度や耳に聞こえる音など、五感を総動員してイメージするのです。まるで本当にそこにいて見ているかのように、そして聞いているかのように、がポイント。この作業をすることで、「何を伝えたいのか」という目的と成功場面の感触を潜在意識に刻み込むことができます。いざその場になったら、「うまくいくだろうか」などと余計なことは意識せず、自分のコンディションの調整は潜在意識に任せてしまう。「これを伝えるために今何をしたらよいか」だけを考えればよいのです。

「自分の企画を通せる自信がない…」の対処法

 企画会議でうまくアピールできない。説明にどうもインパクトがないし、質問されるとうろたえてしまう。自分は話し方が下手だからいつまでもチャンスをつかめないのか?あるいは企画のツメが甘いからいけないのか?

 そんなふうに悩んでいるとしたら、アピールのコツがあります。まず前提として、どんな企画でも、最初から完璧ということはありえない。そのことを覚えておいてください。うまみがある反面、考慮すべきリスクがあったり、実現にこぎつけるためにクリアしなければならない問題があったりする。スタートしてみなければわからないことも多いもの。