今や街中でもオフィスでも、どこでも外国人がいることが当たり前の時代になりました。そして、2020年は東京オリンピックが開催されます。来年は、さらにいっそうまわりで外国人を見かける機会が増えそうです。英語に自信のある方はいいですが、いきなり街中で外国人から話しかけられたりしたら、ドキマギしてうまく対応できないという方も、少なくないはずです。そんな英会話初心者の方に、ぜひ、おすすめしたいのが、『だれとでも会話がとぎれない! 1分間ぺラペラ英会話』(小林真美著、ダイヤモンド社、11月28日発売)です。本連載では、同書の中から抜粋して、英語に苦手意識のあるヒビギナーの方に向けて、英会話上達のポイントをお伝えしていきます。

なぜ、ビジネス英会話が得意な人でも、ちょっとした会話は苦手なのか?Photo: Adobe Stock

中級以上の英語力を持つビジネスパーソンでも、
英語のスモールトークに苦手意識を持つ人は多い

 年々訪日外国人が増加し、職場の同僚や取引先に外国人がいることがめずらしくない時代になりました。
彼ら、彼女らと、英語でちょっとした雑談ができれば楽しいのではないか、自分の世界も広がるのではないかと感じている人も多いことでしょう。

 日常的な場面で、外国人とのちょっとした会話ができる人が増えることが、日本の真の国際化の第一歩になるのではと日々感じています。

 また、インバウンドの訪日外国人と簡単な会話をすることで、日本に歓迎する気持ちや、相手を思いやる気持ちを伝えることもできます。

 ビジネスの場面では、ちょっとした会話がその場の雰囲気を和ませ、お互いの人となりを理解し、本題前のウォーミングアップになります。人と人との信頼関係というのは、小さな会話の積み重ねで築かれるものです。
雑談を英語では、スモールトークといいます。

 スモールトークとは、偶然出会った見知らぬ人とのちょっとした会話や、ビジネスなどで本題に入る前の世間話のことです。

 “スモール”なトークと言っても、慣れていないと意外にむずかしいものです。外国人を前にして、今話しかけていいものか、何を話したらいいかと悩んでいるうちに、タイミングを逃してしまいがちです。

 英語初心者のみならず、私が指導する中級以上の英語力を持つビジネスパーソンの中にも、スモールトークは何を話していいかわからないと、苦手意識を持つ人が非常に多くいます

 実は仕事で使う英語というものは、さほどむずかしいものではありません。なぜなら、話の主題は何なのか、お互いが共通の理解を持っていますし、共有する専門知識なども会話の助けになるからです。

 また、事前に資料を準備するなどの対策をうつことも可能です。要するに仕事で使う英語の場合は、スモールトークよりも事前の準備がしやすいのです。

 数年の留学経験や海外赴任経験がある人でも、外国人とのスモールトークが得意だと、自信を持って答える人にはなかなか出会いません。その大きな理由としては、スモールトークを成り立たせるためには、それぞれの国の文化や風習、習慣等にある程度通じている必要があるからかもしれません。

 私自身、アメリカに留学したり、オーストラリアで働いたり、日本の外資系企業で長く外国人と働いてきましたが、ビジネスシーンでのスモールトークをマスターするには、それなりの時間がかかりました。