「引きこもり」を「こもりびと」に言い換えたら支援窓口に相談殺到のワケ
神奈川県大和市の「引きこもり」相談窓口に、相談者が殺到している理由とは(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「引きこもり」はイメージが悪い
温かみのある名前に変えた大和市

「引きこもり」という名称を巡っては、名詞形のレッテルで偏見につながるとの批判から、他のイメージのいい名称に変えたいという議論が以前からあった。
 
 そんな中、神奈川県大和市は、2019年10月から、「ひきこもり」を「こもりびと」というネーミングに変えて相談窓口を開設したところ、1カ月で28人の相談があったという。

 その内訳は、本人が11人、親が13人、兄弟姉妹や親族などが4人。引きこもる本人の年齢は、40代以上が21人、10年以上の長期者も10人に上った。1カ月の延べ件数では、窓口に来訪した人は22件、電話での相談は17件だった。

 相談者からは「こういう窓口があって良かった」「話を聞いてくれるだけでもうれしい」 などと評判も上々だ。

 市では。せっかくつながった相談者を生活困窮者自立支援窓口や精神保健福祉センター、サポステなどの就労支援、介護などを行う地域包括支援センターといったメニューも用意し、本人の希望に寄り添って様々な支援につなげている。
 
 きっかけは、5月末の川崎の通り魔事件からの一連の事件以降、報道による関心の高まりを受け、議会で「引きこもり」に関する質問が相次いだこと。内閣府が3月末に公表した実態調査の結果、全国で推計61万3000人の中高年者が「ひきこもり状態」にあると推計されたこともあり、当事者やその家族が抱える課題に対応する必要もあった。

 しかし、「引きこもり」という名称だとマイナスのイメージに捉える人もいる。そこで、1人の人として寄り添いたいとの思いから、より温かみのある「こもりびと」という呼称を大木哲市長が命名。「大人のひきこもり」の相談窓口として「こもりびと支援」窓口を開設したという。