待望の新刊、『OPENNESS  職場の「空気」が結果を決める』が発売5日目に重版し、3万部を突破。著作の合計部数も30万部を超えた北野唯我氏。いま、人材マーケット最注目の論客であり、実務家だ。
その北野氏が、今回選んだテーマは、「組織」。発売即、重版が決まった自身初の本格経営書「ウチの会社、何かがおかしい?」という誰もが一度は抱いたことがある疑問を科学的、構造的に分析し、鮮やかに答えを出している。
なぜ、あなたの職場は今日も息苦しいのか。具体的に、何をすれば「オープネスが高い」組織がつくれるのか。明日、少しでも楽しく出社するために、一人ひとりができることは何か。本連載では、これらの疑問について、独自の理論とデータから解説する。

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「オープネスが高い組織=フラットな組織」ではない

 「風通しの良い組織」「オープネスの高い組織」に関する良くある誤解は、「オープネスが高い=フラットな組織」というイメージです。
 「階層がないフラットな企業」というのは、定期的に脚光をあびています。2010年代中ごろには「ティール組織」と呼ばれる組織形態が注目されました。ティール組織とは、いわゆる上下関係がない組織のこと。セルフマネジメントを軸に、フラットな組織で、「自主経営」「全体性」「存在目的」を軸に経営を行います。

 「オープネスが高い組織」というと、一般的には、フラットな組織形態をイメージしがちですが、組織の階層数はそれほど重要ではありません。言い換えれば、組織階層が多くても「オープネスが高い組織」もあるし、その逆もあるのです。

 現実的には、事業規模が大きくなっていき、事業ドメインが複雑になると、どうしても組織階層の必要性は高まります。とくに複数国で事業を展開しているケースや、ホールディングス制(純粋持株会社形式)をとっている企業などは、構造上、どうしても階層が生まれてしまうでしょう。言い換えれば、オープネスが高いかどうかは、階層の数やフラットさからは独立した要素である、ということなのです(下の図参照)。

 そもそも、事業には必ず「ルーティンワーク」と「プロジェクトワーク」の2つがあります。
 ルーティンワークとは、定型化された業務であり、この場合、誰がやっても成果にバラツキが出すぎないほうがいいものです。
 反対に、プロジェクトワークは、非定型の業務を指します。たとえば、「新規事業を3年以内に立ち上げ、売上◯◯億円を目指せ」という場合などをイメージするとわかりやすいでしょうか。期間が決められ、明確な目的がある。そして、プロジェクトワークは、アサインさせるメンバーによって、成果に大きくバラツキが出るのです。