16万部を突破したデビュー作『転職の思考法』で、「このまま今の会社にいてもいいのか?」というビジネスパーソンのモヤモヤに答えを出し、「転職は悪」という既成概念を打ち破った北野唯我氏。いま、人材マーケット最注目の論客であり、実務家だ。
その北野氏が、今回選んだテーマは、「組織」。自身初の本格経営書『OPENNESS  職場の「空気」が結果を決める』では「ウチの会社、何かがおかしい?」という誰もが一度は抱いたことがある疑問を科学的、構造的に分析し、鮮やかに答えを出している。
なぜ、あなたの職場は今日も息苦しいのか。具体的に、何をすれば「オープネスが高い」組織がつくれるのか。明日、少しでも楽しく出社するために、一人ひとりができることは何か。本連載では、これらの疑問について、独自の理論とデータから解説する。

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「給与は低いが満足度が高い企業」は存在するか

 前回の記事では、職場の空気が企業の結果を決める構造的な理由を解説しました。
 『OPENNESS  職場の「空気」が結果を決める』で調査した約2400社の調査データによると、「待遇面の満足度」と「社員の士気」は思ったよりも相関が高くないことがわかりました。

 給与は士気に相関していない。
 金満主義の人にとって、これは意外すぎる事実でしょうか?

 実はデータでみると、日本には「『待遇面の満足度』は低いが、『社員の士気』が高い企業」があります。これは、ものすごくわかりやすい言い方をすると、従業員が「もっと金くれよ!」と思っているが、それでも「士気が高い」企業は、実際に存在しているということです。

 下図は、待遇面の満足度の高低と、社員の士気の高低で、企業を分類したものです。このうち、右下の欄を見てください。「待遇面の満足度は低いが、社員の士気は高い企業」が、27社。この内訳は、人材大手企業、有名なITベンチャーや、農業テックベンチャー、ホテル会社、日系コンサルティングファームなどです。ここから何が学べるでしょうか?
 

27社に共通する「3つの特徴」

 図を見ると、まず、基本的には、この国の職場のほとんどは中庸的(給与には普通の満足度で、士気は高くない)に分類されることがわかります。一方で、これら27社の企業は、独自のルートを進んでいるように見えます。ここで考えるべきは、「私たちが、これらの企業から学ぶべきことは何か?」です。そもそもなぜ、これらの企業は高い士気を保つことができるのでしょうか?