しかし、イベントがない日はほとんどお客さんが来ない。そんな状況を見た田中から、「きちんと目標や計画を立ててやらないといけない」と言われ、2人で事業計画をノートに書くことにしました。といっても、どんな店がはやるか、どんな店を出したいかなどを書いた夢日記のようなものです。

 そして、2001年2月、大阪・堀江の一等地に、一流のデザイナーを使ったデザイナーズレストランを開業しました。

 そのために必要な金額は5000万円。しかし、金融機関はそれほどの額を貸してはくれません。

 困っていると、トヨタ輸送で僕を息子のようにすごくかわいがってくれた先輩が、「なくなってもいいから」と言って、退職金の1500万円をポンと貸してくれました。

 本当にありがたく思いました。と同時に、「トヨタ輸送で一生懸命に仕事していてよかった」と思いました。僕が適当な仕事をする社員だったら、こんなに信用してもらえなかったと思います。

 デザイナーズレストランは、当時のはやりをふんだんに取り入れただけあって、メディアにも取り上げられ、大阪でも有名店になりました。しかし、毎月の金融機関への返済に追われ、生活は全く楽にはなりませんでした。

 デザイナーズレストランは足元の経営も大変でしたが、何よりも常に心に重くのしかかっていたのは、「はやりものは飽きられる。このブームはすぐに過ぎるだろう」という恐怖でした。

 この経験から「飲食店は本物でないと長く生き残れない。10年20年と、長く愛される店を作りたい」と考えるようになったのです。

 ではどんな店がいいのか。