慢性痛への森田療法的アプローチ
痛みへの森田療法的アプローチとは?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

国民が自覚する上位2つの症状に入る、肩こり、腰痛(平成28年 国民生活基礎調査 厚生労働省)。「人生100年時代」を健やかで楽しく生きるためには、慢性痛(肩こり、腰痛、ひざ痛)への備えが必須です。しかしながら慢性痛治療の専門家は不足しており、病院で治療を受けても満足いく効果を得られない方が多くいらっしゃいます。日常生活に支障を来たしやすい慢性痛に悩む患者さんは2000万人、経済損失は数兆円という試算もあります。第2回は、慢性痛の回復に森田療法的アプローチを実践し効果を上げている、八千代病院痛みセンターの平林万紀彦センター長にお話を伺います。(談/八千代病院痛みセンター センター長 平林万紀彦、構成/医療・健康コミュニケーター 高橋 誠)

痛みが全身に広がり、寝たきりになるのが不安
50代後半、主婦の苦悩

 今回は、朝から痛みが強くてだるくて仕方がなく、何としても痛みを治したいと強く願う50代後半の女性(主婦)の事例をご紹介します。

 学校職員の父と専業主婦の母の間に生まれ、幼少期より裕福な家庭で育ちましたが、元来真面目できちょうめんで完璧主義、神経質で地味な性格でした。性格が明るい9歳違いの妹ばかりが両親にかわいがられていたという理不尽に、多感な思春期の頃には胸を痛めたといいます。

 大学卒業後、会社員として数年勤務し、真面目な仕事ぶりで周囲から信頼されていました。結婚を機に退職し、女児を一人もうけ、自分でも神経質だなと思うほど大事に育てました。現在、夫は海外赴任中で、娘さんと2人暮らしです。