明日の我が身さえわからない中高年
「悔いのない生き方」は自分で決める!

 イチローは、今回の移籍に関する記者会見の場で、とても悩み、時間をかけて決断したことを吐露した。彼は、昔からファンを大切にするプレーヤーと言われていた。11年間在籍したマリナーズのファンのことを考えると、確かにヤンキースへの移籍の決断は容易ではなかったかもしれない。

 しかし、最終的に彼はマリナーズを去ることを決めた。彼の決断について、おそらく2つの大きなファクターがあったのだと思う。1つは、前述した自分の夢や希望の要素だ。もう1つは、自分自身で決めること自体の大切さである。

 つまり、誰かに言われて決めるのではなく、自分自身の考えで決めることだ。ヤンキースへの移籍は球団に要請されたのではなく、自分の考えで、3つの条件を丸呑みにしてまで決めた。そこが彼にとって、重要なのだ。

 イチロー自身は38歳になり、今後、どれだけ満足ができるプレーを続けられるかわらない。つまり、今後のことを考えると不確定要素が多く、たぶん自分自身でもどうなるか予測がつかない部分があるはずだ。

 予測がつかないからこそ自分で決めることで、これから何か不測の事態が発生したとき、「自分でした判断だから、何があっても自分の責任」と思うことができるのである。

 それはイチローに限らない。現在の経済・社会情勢を考えると、3年先、5年先がどのような状況になっているかほとんど読めない。そうした状況下では、“誰かに言われた判断”ではどうしても悔いが残るケースは出てくる。

 そのとき、「自分で判断したのだから、何が起きても自分の責任」と思うために、自分で決めることが最も大切なのである。今回、イチローはそれができる状況にあり、実際、そうしたプロセスを経てヤンキースへと移籍した。

 そうしたプロセスさえ取っておけば、きっと誰でも納得できる人生を送ることができるはずだ。