職場で蔓延するパワハラや
いじめも減らすことができる

 実際、フランスも今年、民法第371-1条を改正し、「日常にある教育上の暴力の禁止」の中に「親の権威は、いかなる身体的または心理的暴力も用いることなく行使される」(NPO法人 子どもすこやかサポートネットHPより)という文章が加えられている。

 日本人はどうしても「日本は他の国と異なる特別な国」という思いが強いが、殺人、強姦、窃盗など、異なる国や文化の中で共通する普遍的な社会病理というものがある。「児童虐待」もその中の1つだ。そう考えれば、世界58カ国が支持している「体罰全面禁止」という普遍的な解決策を日本も採用するというのは、それほど「愚策」だとは思えない。

 最初は確かに戸惑うかもしれないが、子どもを叩かない子育てが当たり前になっていくことで、犠牲者の減少などのメリットも増えていくはずなのだ。

 そこに加えて、「体罰全面禁止」を法制化することは、日本社会を悩ませているさらに大きな問題の解決につながる可能性もあるのだ。

 それは「パワハラ・職場いじめ」だ。

 いじめ相談をしていた小学校教師が、同僚をよってたかったいじめたり、日本を代表する大企業で「死ね」とか「殺すぞ」という恫喝によって、自殺する若者が後を絶たないことからもわかるように、「パワハラ・職場いじめ」というのも、日本が克服できない「病」のひとつである。

 実際、厚労省の「平成30年度個別労働紛争解決制度の施行状況 」によれば、職場でのいじめや嫌がらせは8万2797件と過去最多になっているという。

 しかし、これも日本に限った話ではない。どんな世界にもいじめは存在しており、スウェーデンなど幸福度の高い国でも、深刻な「職場いじめ」が報告されている。

 では、この人類普遍的な問題を、世界はどう解決しようとしているのかというと、ここでも「法制化」である。要するに、パワハラや職場いじめの全面禁止を法的に明文化しているのだ。