米ネットワーク機器大手シスコシステムズは、ようやく既成概念から脱却し始めたようだ。同社は11日、ルーターの新ラインアップと共に新型のチップアーキテクチャー「Cisco Silicon One(シスコ・シリコン・ワン)」を発表した。同社は長年、独自のネットワークチップを設計してきたが、それらは通常、同社のネットワーク機器を購入した場合にしか手に入れることができなかった。だが今回、最新チップを「個別販売ビジネスモデル」で提供する方針を明らかにした。つまり、顧客はチップだけの購入を選択できるようになるということだ。これは注目に値する。シスコがこれまで参入できずにいたネットワーク機器市場の重要な分野に食い込める可能性が出てくるからだ。アマゾンやマイクロソフト、グーグル、フェイスブックなどの大手IT(情報技術)企業は毎年、映画やゲーム配信、企業向けクラウド・コンピューティング・サービスなどを提供する自社の通信ネットワークに数十億ドルを費やしている。しかし、彼らはチップを直接購入し、自社のニーズに合った独自のインフラを設計したがっている。
シスコ、新型チップで画期的アプローチ
IT大手のクラウドインフラ向けにチップを直接販売
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