弁護側は「外見的に謝罪、反省はしていないかもしれないが、長期の服役で反省、謝罪することがあるかもしれない」と訴えていた。

 当時の目撃者の証言や公判の事実認定を基に、事件を振り返っておこう。

 判決の通り、事件は昨年6月9日夜、16両編成の東海道新幹線「のぞみ」12号車で発生した。

 土曜夜の車内は東京ディズニーリゾートのお土産袋を携えた家族連れや仕事帰りのビジネスマンらが乗り、眠っている乗客もいた。

 新横浜駅を9時42分の定刻通り出発した数分後、小島被告は12号車の後方から3列目の座席で、隣の女性にナタでいきなり切り付けた。

 悲鳴が響き、ざわめく車内。女性がかろうじて逃げ出した後、止めに入った梅田さんが切り付けられた。

 深手を負ったのか、梅田さんはあお向けに倒れ身動きできない。小島被告は馬乗りになり、なおも梅田さんを殴り続けた。

 新幹線は小田原駅に緊急停車し、神奈川県警の警察官が突入。その時も小島被告は梅田さんにまたがったまま。警察官に促され無言で立ち上がったが、抵抗する様子などはなかったという。

すでに出ている結論に苦悩は不要

 この事件を巡り、筆者は初公判後、全国紙で司法担当が長かった社会部デスクと求刑や判決の見通しについて話していた。

 デスクは「求刑は死刑でしょう。犠牲者1人とはいえ、情状面をどこに見出せばいいのか分からないほど心証が悪すぎる。でも『1人』だと、判決は無期懲役でしょうね」と予想していた。筆者も同感だった。

 しかし、求刑は「無期懲役」。

「えっ?」と驚いたが、何となく合点もいった。というのは、2日の最高裁判決と、5日の東京高裁判決が頭にあったからだ。