近い将来のノーベル賞受賞が確実視される、ゲノム編集の画期的技術「クリスパー・キャス9」。これから遺伝子治療分野で期待される企業はどこか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

ゲノム編集の第3世代技術
「クリスパー・キャス9」とは

 2019年も暮れようとしています。今年のノーベル賞には、日本からはリチウムイオン電池開発の功績によって旭化成の吉野彰・名誉フェローが選ばれました。一方で、毎年多くの候補者がノーベル賞候補に浮かんでは消え、消えてはまた浮かびます。本稿では、近い将来のノーベル賞の受賞が確実とされているゲノム編集に関する画期的技術「クリスパー・キャス9」を取り上げます。

 近年、クリスパー・キャス9という名称を耳にすることが増えてきました。クリスパー・キャス9は、第3世代のゲノム編集の技術とされており、2012~13年ごろに技術的に確立されました。それ以後は、遺伝子工学上の極めて有用なツールとして世界的に広がっています。

 ゲノム編集の第1世代は「ジンクフィンガーヌクレアーゼ」(ZFN)と呼ばれる技術で、1996年に報告されました。第2世代は「タレン」(TALEN、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ)で、2010年にその有用性が報告されています。