書く順番は、ケツが先
12月は、商売が大きく動く「年末年始商戦」時期だ。
本稿を読みながら、セールスレターのヒントを探している方もおられよう。
では、ここで実践的な「書く順番」を紹介したい。
おや? と思われた方は勘が鋭い。
実は、「読ませる順番」と「書く順番」は全然違うのだ。
「読ませる順番」は、先述の「6(シックス)フレーム」にある通り、一番先に「共感」が来る。次に「納得」、最後に「行動」と続く。
ところが、「書く順番」は、ケツの「行動」からだ。一番先に「行動」を書く。次に「共感」、「納得」と続ける。
なぜ、ケツから書かなければならないのか?
それは、最初に書けば書くほど、セールスレターの目的がハッキリするからだ。
セールスレターにおける目的は1つ。読み手の「行動」のみである。
セールスライティングは脳力を消耗する。顧客のことをあれこれ考えながら、言葉を創造するのは思いのほか、超頭脳労働だ。
その結果、「共感」→「納得」→「行動」の順で書いてしまうと、肝心要の「行動」のところで力尽きてしまうことが多い。
読み手に「何を行動してもらうか」が甘くなり、最悪「行動」にあたる文章そのものが欠落しているセールスレター事例は、枚挙にいとまがない。
最も脳力がみなぎっている最初に、ケツの「行動」を描けば、欠落してしまうリスクが回避され、目的が明確になる。
以下は、客行動×チャネルを負担別に体系化したマトリクスだ。
たとえば、マトリクス左上の「A1」は「WEBで問合せする」という最も読み手への負担が軽い「行動」となる。コーヒー片手にクリックするイメージが浮かぶ。
一方で、マトリクス右下の「G5」は、「営業対面で本品購入」という最も負担が重い「行動」になる。営業マンに対峙しながら、逃げられないプレッシャー場面が想像できよう。
当然ながら、両極端である両者にかける言葉のトーンは異なってくる。
限りある脳力を先に使わずして、後回しすると「行動」を描くエネルギーが枯渇してしまうのだ。
「読ませる順番」を意識しながら、是非とも「書く順番」はケツから書き始めることを心掛けてみていただきたい。
目的がしっかりしたセールスレターが書き上がるはずだ。
セールスレターについては、こちらも参考になることだろう。
「フーテンの寅に学ぶたった2分で売り切るセールス法則」
「アウディを年間4億円売るエース営業マンの手紙」
さらなる法則・テクニック等について興味があれば、拙著『最強のコピーライティングバイブル』(ダイヤモンド社)を参照することをおすすめする。
セールスレターだけではなく、キャッチコピーを含め、絞り込んだ法則を24業種100の成功実例で解説している。
法則→事例→効果の3点を理解することで、すぐに現場で再現できるはずだ。