都立中高一貫校の先駆け「白鴎」。附属中とは敷地が離れている

学区廃止で単独選抜になって以来、都立高志願者の視線は都心の名門校に集まる傾向が顕著にうかがえる。一方で、都立校の競争力を取り戻すため設立されていった中高一貫校のうち、中学を付設した5校は順次、高校での募集を取りやめ、6年間の一貫教育にシフトしていく。その影響を最も受けているのが、23区の下町“イースト東京”である。(ダイヤモンド・セレクト編集部)

進学校が消えていく“イースト東京”

 旧第5学区 (中央区、台東区、荒川区、足立区)だった下町の名門校といえば、元浅草にある白鴎(旧制1高女)がその筆頭だろう。学校群では上野(旧制第二東京市立中)と共に52群だった。いまでも偏差値的には両校ともだいたい同じ位置にいるが、いずれも60には届いていない。つまり、他の旧学区の二番手、三番手の水準にとどまっている。

 その白鴎は、2005年に附属中学を設けた都立中高一貫校の先駆けでもある。ただ、現在でも中学の校舎は少し離れた台東中(2002年に御徒町中と合併)の跡地にあり、あまり一貫している雰囲気が感じられない。

 都は5校ある付設型の都立中高一貫校について、2021年と2022年に2校ずつ高校募集を停止して完全一貫校に移行する計画だが、こうした現状もあって、白鴎については移行のメドが立っていないようなのである。

 千代田区には都立日比谷があるが、旧第5学区の中央区にはこれといった都立の進学校はない。荒川区にも見当たらない。

 足立区には、ぎりぎりの水準で江北があった。綾瀬川の堤防に面したあまり潤いのない立地とはいえ、5年がかりで進めてきた校舎の新設も含むリニューアルが2020年夏に終了する。新校舎・新制服・共学化は私立定番のてこ入れ手段だが、都立高でも新しい校舎は人気を呼ぶ。荒川を越えて都心に向かう足立区の受験生が少し減るかもしれない。

研究所のような白い校舎が生徒募集の切り札となるはず。足立区の名門「江北」