人生100年時代の「幸せ戦略」『人生100年時代の「幸せ戦略」-全国2万人調査からみえる多様なライフデザイン』 株式会社 第一生命経済研究所 編 宮木 由貴子/的場 康子/稲垣 円 著 東洋経済新報社 1500円(税別)

 本書『人生100年時代の「幸せ戦略」』は、最新の意識調査をもとに、さまざまな切り口から、人生100年時代に「幸福に生きる」戦略を提案する。

 編者の第一生命経済研究所は、第一生命グループの総合シンクタンク。著者の3人はいずれも同研究所の主席研究員である。

 さて「人生100年時代」が人々の口に上るようになったのは、ロンドンビジネススクール教授のリンダ・グラットン氏らが著した『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』(東洋経済新報社)が大ベストセラーになってからだと思う。

「人生100年時代」をクローズアップした同書では、先進国の「2007年生まれ」のうち2人に1人が103歳まで生きるという予測を提示。それに備え、従来の「教育・仕事・老後」という3段階の人生設計を見直すべきと主張している。

 2007年生まれは、2019年に12歳になる人たちだ。しかし、「まだ子どもじゃないか」と、自分の世代と関係ないと思うべきではない。

 本書『人生100年時代の「幸せ戦略」』では、厚生労働省が作成した「平成29年簡易生命表」をもとに「60歳男女の生存確率」を計算している。それによると、現在60歳の男性は、4人に1人が90歳まで、10人に1人が95歳まで生きる。60歳女性になると、4人に1人が95歳まで、10人に1人が99歳まで生きる。

 どうだろうか。人生100年時代は、思ったよりも間近に迫っていると感じた人が多いのではないだろうか。

人生100年時代には
健康、お金、そして「つながり」が大切

 本書では、人生100年時代を幸せに生き抜くために必要な3つの「人生資産」として、「健康」「お金」「つながり」を挙げている。つまり、定年後も幸福な人生を送るのに、この3つの備えがカギとなるということだ。

 健康とお金については説明不要だろう。だが、もう1つの、つながりの大事さは、あまり意識されていないように思う。

 本書によると、自分の「つながりのポートフォリオ」を意識するのが重要とのこと。自分が誰と、どのようなつながりを持っているのかを振り返ってみていただきたい。

 振り返るにあたっては、つながりを2種類に分けるとわかりやすいという。「情緒的つながり」と「手段的つながり」だ。