ぐちゃぐちゃな組織を整理し、成果をあげる「4ステップ」

 私は先輩の言葉を受け、「何がぐちゃぐちゃなために成果を出せないのか」を、次の4ステップで整理することにしました。

(1)チーム全体の業績ではなく、個人の業績を見て、差が生まれる原因を分析する

 チーム全体としては成果を出せていなくても、チーム内の個々の業績を見ていくと、個人としては成果を出せている人がいます。チーム内で「成果を出せている人」と「いない人」の仕事内容の差に着目しました。

 すると、成果を出せていない人は、成果を出せている人に比べて「クライアントに信頼されていない」ことがわかりました。

 なぜ信頼されていないのか。業績が悪いために、自社商品を売り込むことに必死で、クライアントのニーズを聞いていなかったからです。

 私が直接、クライアントに出向くと、その違いは顕著でした。成果が出ている部下のクライアントは「信頼しています」とほめてくれたのに、成果が出ていない部下のクライアントからは、「あなたの部下は、自分のやってもらいたいことばかり口にする」と小言をいただいたのです。

 「成果を出せている人」と「いない人」の差を教えてくれるのは、クライアントの率直な声です。

(2) (1)で見つけた「差」をなくす仕組みをつくる
 クライアントのニーズを聞けているかどうか。それが「成果を出せている人」と「いない人」の差でした。

 私は毎朝のショートミーティングで「今日訪問するクライアントのニーズは何か」をひとりひとりの営業マンに確認するようにしました。

 加えて、クライアントごとに作成するクライアント帳に「クライアントのニーズ」という欄を設け、営業マンがニーズを把握できているかどうかを見える化しました。