もちろん、大阪でいえば、日本維新の会の代表・松井一郎大阪市長や副代表・吉村大阪府知事は、上院議員として国政に関与できることになる。日本維新の会や都民ファーストの会、減税日本など都市型政党は、「連邦制上院」導入の憲法改正を主張してはどうだろうか。

日本の地方自治体は
世界の成長地域と直接つながれ

 ここまで、「新しい日本の国家像」として、大都市圏を中心とした「地方主権」の実現を主張してきたが、それだけでは十分ではない。日本の地方は、国家という枠を超えて、世界の成長する地域と直接結び付くべきである。

 この連載では、大阪府泉佐野市が、「ふるさと納税」の寄付をすると返礼品に加えて、Amazonギフト券を総額100億円プレゼントするというキャンペーンを展開したことについて、「世界最大の企業・アマゾンを利用したスケールの大きな資金調達法」だとして、その発想の柔軟さを絶賛した(第204回)。この論考は反響が大きく、その後さまざまなメディアで発言を求められることになった。

 筆者は一貫して、政府・総務省の泉佐野市に対する「制裁」に対して、旧態依然たる中央による地方支配の発想にとどまったものでしかないと批判してきた。泉佐野市を抑えつけて、政府・総務省の権力を見せつけたところで、地方の衰退は進むばかり。それを止めるためのアイディアを政府・総務省は何も持っていないではないか。

 何度でも繰り返すが、地方が中央政府のご機嫌伺いばかりして全てが首都に集中する経済システムの日本は、世界から二周も三周も遅れている。インド生まれのグローバル戦略家であるパラグ・カンナ氏は著書『接続性の地政学』の中で、「グローバル経済の時代には、国家という枠に縛られることなく、近接した地域同士で経済圏を形成するようになる」と論じている。すでに、アジアをはじめ世界では、地域同士が国境を越えて直接結び付いて、経済圏を築くのが当たり前になっている。

 日本の地方自治体も、国の機嫌を取り続けるのが最善の道ではないはずだ。例えば、北海道はロシア極東のサハリン州の天然ガスでもうけたらいい(第90回)。日本海側の自治体は、ロシア・ウラジオストクなどと「環日本海経済圏」を作ればいい。大阪や九州は、中国の香港、上海、深センやシンガポール、インドネシアなどと直接ビジネスをやればいいのだ。