シェアやリツイートでも
損害賠償請求される

「もし会見を行うとしたら、警察に警備をお願いするということも考えなければなりません」(神戸市教育委員会課長)

 この加害側とされる4教員から、既に事情聴取を行った兵庫県警察の捜査関係者も、ネット上の過熱ぶりに苦り切った表情を隠さない。

「ネット上で書き込みをしている彼らが、誤った正義感から事件を起こさないよう、警戒するしかない」(兵庫県警捜査関係者)

 ここまでくると、もはや、「一個人による意見表明」では済まされず、ネット上の書き込みに、何らかの規制を求める声があることもうなずける。

 事実であっても、個人情報を勝手に晒すことは、大きな問題を生み出すのだ。一方、情報自体がウソであれば、さらに問題なのは言うまでもない。

 先に紹介した小沢弁護士は今夏、世間を揺るがせた茨城県常磐道の「あおり運転」事件の際、事件とは全く無関係の女性が、さも加害者であるかのようにネット上でデマを拡散された「ガラケー女デマ拡散事件」の被害者側代理人を務めている。

 その小沢弁護士によると、ネット上の誤った情報を広く拡散する行為は、自ら発信することはもとより、Facebookならシェア、Twitterならリツイートでも、“アウト”なのだという。

「自分が文章を書いていないので自覚がないのだと思いますが、リツイート元と同じ内容を自ら発信するのですから、リツイート元の記事が特定の人に対する名誉毀損等であれば、リツイートも同じく名誉毀損等に該当します」(小沢弁護士)

 今から約5年ほど前なら、インターネット上で、他人の誹謗中傷を目的とするシェアやリツイートは、「賛同を意味するものではなく、こうした意見がある」という紹介目的だとするネットユーザーが少なからずいたものである。だが、その認識は危険だ。今では書き込み内容によっては、シェアやリツイートをするだけでもアウトというのが常識だ。リツイートについて裁判所が法的責任を認める判決も既に複数存在する。

「ガラケー女デマ拡散事件」では、全く無関係の女性が被害を受けたが、たとえ犯罪の当事者だったとしても、根拠のないことや臆測、事実ではないことを書き込まれたならば、被害者として、シェア者やリツイート者を訴えることも可能である。この場合、被害者が、シェア者やリツイート者の「誰を訴えるか」は、被害者の自由だ。