英レスターの求人広告の看板Photo:Reuters

 米企業が労働市場のひっ迫に直面する中、来年の採用戦略のカギとして、卒業前の学生などの中からIT(情報技術)人材を「青田買い」する動きが出ている。

 また、こうした新人を育成する傍ら、既存の従業員が最新デジタルツールを使いこなすための訓練にも力を入れている。

 多くの企業はインターンシップやブートキャンプ(短期の集中研修)、その他の課外プログラムなどを通じ、学位を取得する前の有望な就職志願者に網を張っていると、各社の最高情報責任者(CIO)は話す。

 「われわれはブランド認知度を高め、志願者とのパイプラインを築くため、定期的に学生と関わっている」。保険会社ステート・ファーム・ミューチュアル・オートモービル・インシュアランス(本社・イリノイ州ブルーミントン)のアシュリー・ペティットCIOはこう述べた。同社では約6000人の技術職員が働いているが、最近オンラインで開催したキャリアフェアには3000人以上の志願者が集まった。

 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のCIOジャーナルが毎年実施する年末アンケートに企業のIT担当幹部30人がメールで回答を寄せた。ペティット氏はその1人だ。

 IT業界団体コンプティアは、雇用市場の盛衰にかかわらず、米国の技術職の数は2016年から26年までに13.1%増加し、全職種の10.7%増を上回ると見込んでいる。

 同団体によると、先月時点で求人募集しているIT職が32万件以上あり、特にソフトウェアやアプリケーションの開発会社で欠員が目立つという。