電気自動車(EV)メーカーの米テスラは7日、中国で現地生産したクルマを初めて納入した。それは、世界最大のEV市場である中国で新たな投資熱を呼び覚ましている。テスラにとって中国のユーザー向けに現地生産することは理にかなっている。わずか1年前に起工したばかりの上海工場は、生産コスト引き下げと関税回避に寄与するだろう。同社は先週、中国製EVセダン「モデル3」の最低販売価格を9%引き下げ、32万3800元(約506万円)とした。それは需要を喚起する可能性がある。上海工場での生産ペースは今のところ週1000台程度だが、いずれ年間50万台に引き上げる計画だ。こうした状況がテスラにどれほど追い風となるかは未知数だが、一部の中国サプライヤーの株価には既に過熱感が出ている。一例として、深セン市場に上場している自動車部品メーカーの無錫威唐工業技術(VTインダストリアル・テクノロジー)はここ1カ月で66%値上がりした。同社は昨年9月、テスラと直接取引する一次サプライヤーのリストに入ったが、契約に基づく売上高はまだ一切上がっていない。テスラに太陽光発電ガラスを供給している常州アルマデンの株価は過去1カ月で倍余りに跳ね上がった。調査会社ウインドが算出するテスラの中国サプライヤーで構成する株価指数はここ1年で60%近く上昇。同指数の株価収益率(PER)は足元で57倍に達している。
中国製テスラ初納車、サプライヤーの株価はばか騒ぎ
有料会員限定
あなたにおすすめ