ただ、必要な睡眠時間は子どもによって違いますし、受験生にはこの時間を確保するのはなかなか難しいかもしれませんね。睡眠サイクルも80分周期だったり、100分周期だったり、必ずしも全員が90分というわけでもありません。ですから見極めとしては、スッキリ起きられたかどうかで判断するのがよいと思います。「昼間十分がんばれた」「今日は頭の回転が速かった」「身体の調子も悪くなかった」との自覚があれば、大丈夫だと思いますよ。

安浪:勉強効率でいうと朝型・夜型というのもあります。私はいつも人によって朝型か夜型かは違うので、朝が弱い子は無理に朝型に切り替えなくていいと言っているのですが。

枝川:朝型か夜型かは決して気合が足りないとかの根性論の話ではなく、実は遺伝子で決まるんですね。朝型に強い遺伝子と夜型に強い遺伝子があるとわかってきていて、遺伝子的に早起きして勉強するほうが向いている子と向いていない子がいるんです。

安浪:入試は午前中が多いので、朝が弱い子は入試の1週間ぐらい前から早起きに慣れさせてあげましょうともお伝えしているのですが……。

枝川:朝型にシフトできない子は、ぎりぎりまでやりやすい時間帯で勉強させてあげて、試験日の少し前から慣らし運転していくのがよいと思います。その場合、1週間だと短いこともあるので、2週間ぐらい前からリズムをつけてあげるといいですね。

 ヒトの体には「サーカディアンリズム」と呼ばれる生体リズムがあって、これが24時間より少し長いんです。なので、リズムは後ろにズレやすく、起きる時間も遅くなりやすいのです。夜型タイプで朝に弱い子は、入試当日の起床時間に「サーカディアンリズム」を合わせていくことが大事です。リズムを調整するうえで有効なのが太陽の光なので、起床時間が来たらカーテンを開けて脳を目覚めさせる。そうやってリズムを調整していくといいですね。