ほめることが
自主的な改善を促す

 私は、試験的にこれまでと全く逆のやり方を試みました。ダメ出しをするのではなく、できている良いところ、つまり「ほめるところ」を指摘して伝えるというやり方です。その当時登録していた300人の調査員に「ほめるところ」を探して報告するように伝えました。

 ところが、ダメ出しは私だけでなく人間の本能なのか、調査員から報告されたレポートの中で「ほめるところ」は、1割程度しかありませんでした。残りの9割は、やはりダメなところ、できていないところを報告する内容、ダメ出しのオンパレードでした。

 このレポートをそのまま正論を振りかざし、相手に伝えることは簡単。しかし、それではまた同じことの繰り返しとなる。私は、覚悟を決めて「ほめる」ことを実践しました。

 レポートの中で報告された、数少ない「ほめるところ」を実名入りで大きく取り上げたのです。そして改善すべき点、その数100個ほどある中から、1つか2つに絞って、しかも、すぐに直せて効果が実感できそうな改善点だけに絞って伝えたのです。

 すると、2カ月後、2回目の調査に行ってみると、驚くべきことに、「これも直してほしいな」と思いながら伝えていなかったところまで改善実現されていたのです。伝えていないのに!

 ダメ出しされると、ダメ出しされたところだけ直す。

 一方、ほめて認めて、アドバイスをすると、指摘されていないところまで自分たちで探して、さらに良くしようとする。それは自主的であり、工夫が入り、継続するのだと、はっきり実感しました。「ほめる」効果をまざまざと体験した瞬間です。

 その効果を誰でも、すぐに、どのような場面でも使えるように体系化して伝えているのが、我々、ほめ達協会です。そして、その実践をしている人を協会では「ほめ達」と呼んでいます。

 今では、そのほめ達が全国に5万5000人以上います(令和元年末ほめ達検定3級合格者)。