東芝でプレーするリーチは、秩父宮ラグビー場で昨シーズン2位の強豪サントリーサンゴリアスと対峙。26-19で激闘を制した試合後に、感謝の思いを込めながらこんな言葉を残している。

「今日はボールを持つ機会が少なかったんですけど、リーチコールはしっかり耳に入りました」

 自分自身へのコールはもちろんのこと、それ以上に31歳の闘将の心を震わせる光景が、午後2時のキックオフ直前に視界へ飛び込んできた。ラグビーの聖地と呼ばれる秩父宮ラグビー場のスタンドが、ほぼ満員となる2万1564人の大観衆で膨れ上がっていたからだ。

 若い女性や小さな子どもたちも目を輝かせながら、リーチをはじめとする日本代表選手へ熱い声援と視線を送っていた。魂を揺さぶられ、胸の鼓動が高鳴ってくるのをリーチは感じていた。

「僕にとってトップリーグでの経験は今年で9年目になりますけど、本当に初めて見る光景でした。昨年のワールドカップでたくさんのファンを増やしたことを、とても嬉しく思っています」

 グループリーグ初戦で南アフリカを逆転で下す世紀の大金星で、世界中を驚かせた2015年のワールドカップ・イングランド大会。感動と興奮を引き継ぐ舞台のはずだった、2015-16シーズンのトップリーグを思い出せば、クボタスピアーズを下した開幕戦の観客数は1万1085人だった。

 日本で初めて開催されるワールドカップまで1年ちょっとに迫っていた、2018-19シーズンの開幕を迎えても盛り上がりを見せない。キャノンイーグルスを撃破した開幕戦のそれは9477人。舞台はすべて秩父宮ラグビー場だったからこそ、ラグビー界に訪れた一大ブームをリーチは肌で感じていた。

「僕たち選手にできるのは、ひたむきにプレーしていくこと。今日は東芝らしいゲームができて、サントリーも素晴らしいゲームをしたので、さらにラグビーに興味をもってくれたファンが増えたと思う。これから先、増えたファンの方々がずっとラグビーを好きになってもらえるように、選手として毎週のようにいい試合ができるように頑張っていきたい」