ちなみに、法務省は1月14日になって、ウォール・ストリート・ジャーナルの電子版に法務大臣名でのゴーン被告に対する反論・意見を出しました。それ自体は正しい対応ですが、メディアの世界では初期の報道が論調の流れをつくることを考えると、ゴーン被告の会見から1週間も経ってからやっても遅過ぎます。

 日本の司法制度には、改善すべき点が多々あることは事実です。しかし、ゴーン被告が自分の名誉回復のために日本の司法制度を意図的かつ過剰に貶めようとしてきたことを考えると、日本の国益を守る観点からは法務省がもっと戦略的かつ迅速に対応すべきであったのに、あまりに緩すぎます。

日産の対応の緩さもひどい
簡単なリリースを出しただけ

 そして、日産の対応もやはり緩いと思います。ゴーン被告は会見で自分の名誉回復のために、自分の解任は日産とルノーの統合に対するクーデターだったと、ある意味で日産も貶めようとしたのですから、自らのブランド価値を守るためにも、日産も法務省と同様にきちんと反論すべきでした。

 ところが日産は、ゴーン被告の会見の機先を制するつもりだったのか、会見前日の1月7日にゴーン被告を非難する簡単なリリース(https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/release-6049e0c71877a1d033f492c6a30000ed-200107-00-j)を発表しただけで、会見後は何もリリースを発表しませんでした。西川前社長など数名の関係者がメディアのぶら下がりに応じて喋っただけです。

 ただ、やはりゴーン被告の会見を受けて海外メディアが日産のアライアンスについて様々な報道をしているのが気になったのか、会見からだいぶ日が経った1月14日になってようやく、「海外メディアにおいて様々な憶測報道がなされていますが……当社としてアライアンスの解消といったことについての検討は何もしていません」というリリース(https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/release-20dde025ab692d0aa1b89590010062a8-200114-00-j)を発表しました。