わが子にスマートフォンを買い与えたところ、四六時中スマホで遊んでいる。中高生くらいの子どもを持つ家庭なら珍しくない光景だ。しかし、わが子がスマホで何をしているか、誰と交流しているか、知っている親はどれくらいいるだろうか。現実とネットの境界が希薄な若者たちの最新SNS事情と、わが子が事件に巻き込まれないために親ができる対策を、ITジャーナリストでスマホ安全アドバイザーの鈴木朋子氏に教えてもらった。(清談社 ますだポム子)

進化する中高生のSNS事情
トレンドは「位置情報」の共有

SNSを楽しむ女子高校生いつもつながっていたいけれど、面倒なやり取りはしたくない...そんな若者た地に人気なのが、位置情報共有アプリだ Phto:PIXTA

 内閣府が発表した「平成29年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、中高生のスマートフォン利用内容でもっとも多いのが「コミュニケーション」だった。その割合は、高校生が91.1%、中学生が84.5%と、スマートフォンを使っている時間のほぼ大半をコミュニケーションに費やしていることが分かる。

 スマホを介したコミュニケーションというと、SNSでのメッセージやスタンプの送り合い、電話やビデオ通話などを想像するだろう。今はそれらに加えて、より若者の心理を把握したツールが人気だという。

「Instagramの『ストーリーズ』は人気ですね。ストーリーズは24時間で投稿が消えるうえ、文章がなくても写真のみで投稿できる気軽さが、やり取りをより簡単にしたい今の若者にウケています」(鈴木さん、以下同)

 昨今の中高生はメッセージのやり取りを煩わしく思い、最小限化したい傾向にあるという。事実、少しでも文字を入力する手間を省こうと、「了解」という言葉すら「り」と省略するのだ。最近では、そうしたニーズを押さえたサービスまで登場してきているという。

「休みの日に『今日は何してる?』、待ち合わせのときに『今どこにいる?』、と友達に連絡をすることはよくありますよね。イマドキの中高生のなかには、こうしたささいなメッセージの送受信すらおっくうに感じてしまう子も多く、位置情報を共有できる『Zenly』というアプリがはやっているのです」

「Zenly」は、友達と位置情報を共有することができ、誰がどこにいるのか、誰といるのか、何時間くらい滞在しているのかまでを、詳細に知ることができるアプリだ。相手の現在状況が分かるので、待ち合わせ時の合流をスムーズにしたり、家にいると分かれば気軽に遊びに誘ったりでき、文章による質問の手間を省くことができる。