今年いよいよ開催される東京オリンピック。注目競技の一つでもある体操は、子どもの習い事ランキング(運動系)で2位になるほど今人気を集めています。その理由は、運動能力が上がるだけでなく、能力の土台である「脳」をベースアップさせることもできるからなのです。そこで今回は、「知育クラブネイス体操教室」の代表で元全日本体操選手権銀メダリストの南友介氏の初著書『AIを超える!子どもの才能は「脳育体操」で目覚めさせる!』(青春出版社)から、子どもの能力を引き出す体操の秘密について紹介します。
最近の子どもは脳への刺激が少ない!?
脳と身体は連動しています。そもそも、私たちが何も意識せずに歩いたり、モノを持ったり、ふり向いたりと自然に身体を動かすことができているのは、脳の働きのおかげです。
脳の神経細胞には樹状突起という、枝状のものが出ています。この樹状突起は他の神経細胞から出ている樹状突起と結びつき、樹状突起同士の間を電気信号が流れることで、人は様々なことができるようになっていくわけです。
脳が発達中の幼少期の子どもにとって、この刺激とは机で行う学習だけではなく、五感を複雑に使った動きのほうが有用です。複雑な動きをすればするほど、脳の神経回路は強固になり、多くの領域を使って、状況判断から運動の実行までを行っているからです。