つまり、中国としては、「時間稼ぎ」をしても無駄だ、ということ。むしろ、時間稼ぎは中国にとって痛手となりかねない。米国の関税は、短期的には対米輸出の減少をもたらすだけだが、中長期的には中国にある工場が東南アジアなどに移転してしまうだろうから。

 加えて、中国国内の経済状態を考えると、時間稼ぎをしている間に不良債権問題などが悪化し、同時に米国の関税が重荷となり、経済が急激に悪化していく可能性も否定できない。

 そうなれば、「長期的な視野で覇権を狙う」などと言っていられない。とりあえずの苦境を逃れるために、「産業補助金は減らすから関税を下げてくれ」などと言ってくるかもしれない。

米中が分断すると米国優位に

 米中関係は「新冷戦」だともいわれている。そうだとすると、米国と中国は互いに取引しなくなり、「米国と付き合いたければ中国と付き合うな」といった空気が世界中に蔓延してくる可能性もある。20年後には、米ソ冷戦時のように「互いに交流しない」関係になっているかもしれない。

 そのときに、米国陣営と中国陣営にどれくらいの国が集まるのか。それを占う上で重要なのは、途上国が中国陣営に加わることで期待される経済的なメリットであろう。

 それを考えたとき、中国経済の不振が長引けば中国にとって長期的かつ甚大な悪影響を及ぼしかねない。そこまで考えると、中国として米国と徹底的に争うことが得なのか否か、合理的に判断しなければならなくなる。

 中国の立場が難しいのは、安易な妥協が共産党内の権力闘争を激化しかねないから。いずれにしても中国は難しい選択を迫られ、それを知っている米国は「焦らず中国が折れてくるのを待つ」ことができるわけだ。

 そう考えると、第2ラウンドも米国が有利なようにみえてくるが、いかがだろうか。