「フィーチャーフォン」とも呼ばれる、昔ながらのケータイを使おうとしたり、親に持たせようとしても、わかりやすくてちょうどいいプランがないと嘆いていた人は多いと思う。

 たとえば通話料は通話定額で抑えられても、データ通信をするとすぐに料金が跳ね上がったりするプランもあった。そんな問題を解決するような、auの新プラン「ケータイカケホプラン」「ケータイシンプルプラン」が登場したので、今回はこの両プランを詳しく見るとともに実際に契約してみた。

国内通話し放題に月1GBのデータ通信が付いて税抜月2980円とシンプルに使える、auのケータイ向け新プランが「ケータイカケホプラン」

国内通話がかけ放題でメールをかなり使っても月2980円
わかりやすいワンプライスの料金

 まず注目すべきは「ケータイカケホプラン」。国内通話がかけ放題で、データ通信も1GBが付いていて月2980円(以下、すべて税抜)だ。実際にはユニバーサルサービス料の2円(2020年1月現在)と消費税がプラスされる。

“ガラホ”などとも呼ばれるauの4G LTE対応ケータイで利用できる

 従来はデータ通信をそれなりに使えばもっと高額になってしまうプランばかりだったが、このプランは月1GBまでという上限があり、これ以上に勝手に料金が上がってしまう心配がない。1GBあればケータイユーザーには十分すぎる量で、写真が添付されているようなメールが相当たくさん届いても大丈夫なはず。一部の特殊な電話番号にかけなければ請求額が一定というのも安心だ。LTE NETといったISP料なども含まれている。

 しかし、auのサイト上の説明を見ると、ケータイ(4G LTE)用プランということだけで細かな情報がない。格安SIMを使い倒している人からすれば、この契約のSIMをDSDV機に挿入し、データ通信は別の格安SIMを使えば、かけ放題の音声回線と格安なデータ通信を1台のスマートフォンで使えると考えるかもしれない。

 この点については後述するができないようになっている。とは言え、2980円でかけ放題というのはお得だ。複数回線を契約したときの割引後ではなく、単独回線で利用してもこの金額。たくさん電話をかける必要がある人、電話好きだがスマホはよくわからない、孫の写真を送ってもらうのにメールは結構使うというような世代にも適したプランと言える。

音声通話をしないのなら月額1200円~

 同時に登場した月1200円の「ケータイシンプルプラン」は、音声通話は可能だが無料通話分はなく、データ通信量も月100MBと少ない。しかし、フィーチャーフォンにとっての100MBはテキストメールを少しやりとりするくらいなら必要十分とも言える。

 しかも、このプランはケータイカケホプランと同様に、他にLTE NETやパケット代はかからない。発信しなければ支払うのは月1200円ポッキリだ(+ユニバーサルサービス料2円と消費税)。

 もし、国内通話定額を付けたければ月700円の追加で1回5分まで、月1700円で通話時間制限なく、かけ放題となる。ただし、後者をプラスした場合は月2900円。それならば前述の「ケータイカケホプラン」の月2980円のほうがいいだろう。

 1回5分までの通話が多い場合や、着信メインの使い方ならこのプランが適している。あまり外出しないで、自宅内で使うならWi-Fi設定しておけばデータ量も消費しない。この両プランに対応したケータイは4G LTE対応のいわゆる“ガラホ”なので、フィーチャーフォンでもWi-FiやLINEが利用できる。

端末持ち込みで申し込むには
auショップなど店頭に行く必要あり

 4G LTEのケータイ購入と同時なら、「au Online Shop」で契約できるほか、もともと4G LTEケータイ用を使っている場合であれば、ネット上でもプラン変更の手続きが可能だ。しかし、手持ちの4G LTEケータイを使って新規契約したり、スマートフォン向けのプランから変更する場合は、auショップで手続きする必要がある。

4G LTEケータイを持っていれば、auショップでSIMを発行してもらえる

 新規契約ならすぐ使えるが、問題は手持ちの機種を使ったプラン変更。すぐには使えず翌月適用となる。たとえば、FeliCa対応のAndroidスマートフォンを使っている場合は、有料でのSIM交換が必要だ。その場合、店頭でSIMを交換されてしまうがプラン適用は翌月。auのスマートフォン向けプランの場合、IMEIによるネットワークの制限はかけていないため、実際にはSIMが変わっても使えたが、SIMとプランの整合が問題なのか、翌月になるまでは動作保証がない旨を案内される。

 元がiPhoneでの契約のSIMの場合は、サイズが合っていればそのまま使えるようだが、この場合も店頭で手続きが必要で、プラン適用は翌月となる。それでも用意した4G LTEケータイにSIMを差し込めば、電話もネットもキャリアメールもスマートフォンのプランのまま動作していた。

 本来、SIMを交換するなど契約が大きく変わるならば、機種の購入にかかわらずプラン適用は即時適用であるべきで、au機なのに動作保証がないようなことはあってはいけないはずだが、翌月までは中途半端な状態で使わざるをえない。手持ち機種を使ってプラン変更を検討している場合は、確実な動作をさせるためには月末間際に変更したほうが安心だ。

1000円台から安く手に入るauの“ガラホ”
テザリングには対応しているか?

 今回は手持ちのGRATINA 4G(KYF31)にSIMを挿入して使い始めた。au回線なのでSIMロック解除の必要もなく利用できる。

実際に端末にSIMを挿入

 au機の場合は2017年8月1日以降に発売した機種でないと、SIMロック解除をしないと、UQ mobileのようなauネットワークのMVNOのSIMであっても利用できない。KYF31はそれ以前の機種で、au契約のSIMでしか使えないため中古相場が安く、1000円台から簡単に手に入る。外装がきれいなものでもそれほど高くない。端末が割安に入手できるのも「ケータイカケホプラン」「ケータイシンプルプラン」のメリットだ。

 当たり前のことだが、KYF31では通話もネットも問題なく利用できた。キャリアメールにも対応している。プリインストールのLINEアプリでLINEも使えた。ただ、そのままではできないこともあった。

 それがテザリングで、両プランの説明には書かれていないが、テザリングオプションの対象プランとなっている。幸いなことにオプション料金は0円。ネットのMy auで申し込みするとすぐ使えるようになった。もっともケータイカケホプランでも月1GB、ケータイシンプルプランは月100MBしか通信量がないので、テザリングで使うと一瞬で使い切ってしまう可能性がある。あくまで非常用と位置づけるべきだろう。

禁断のSIMフリー機へ挿入も……使用不可だった

 実際に試してみたいと考えている人が多いであろう使い方が、SIMフリースマートフォンへの挿入だ。DSDV機なら片方にこのSIM、もう片方にデータ専用の格安SIMを挿入しておけば、通話も通信も便利になると考えられるからだ。

続いてはSIMフリー機の「HUAWEI P30 lite」に挿入してみるが……

 結果は使用不可。スマートフォン向けのau契約のSIMを入れて動作していたスマートフォンでも、「ケータイカケホプラン」のSIMを入れると、電源を入れてもアンテナマークが立たず×のまま。発信も着信もできなければLTE NETのAPNを設定しても通信不可だ。おそらく、auで販売した4G LTEケータイだけで使えるようにネットワークを調整しているのではと推測できる。

SIM1に「ケータイカケホプラン」のSIMを挿入したが、アンテナマークが立たない

 機種持ち込みで機種変更や新規契約をした際には、携帯電話のIMEIをau側に登録することもなく、複数の4G LTEケータイに指しても問題なく使用できたことから、個別の携帯電話で使えるようにするのではなく、4G LTEケータイの機種だけ対応するようにしているのではないだろうか。

auの4G LTEケータイ専用だけだが、格安で維持できる便利なプラン

 残念ながらSIMフリースマートフォンでの利用はできなかったが、「ケータイカケホプラン」なら音声通話がかけ放題に加えて、データが1GBまで使える回線が、ユニバーサルサービス料や消費税まで含んで月3280円というのは魅力的だ。LINEも内蔵アプリで利用でき、テザリングも申し込めば可能なので、4G LTEケータイを簡易的な情報の入口として活用することもできるだろう。

 ただし、4G LTEケータイに内蔵のLINEアプリは今後、2020年3月でプッシュ通知機能が停止される。これはかなりの痛手で、4G LTEケータイの使い勝手を大きく下げるものとなる。スマートフォンでは絶対に利用できないこのプランは、やはりケータイでの通話を重視している人向けのプランと言える。メリット・デメリットを十分に把握した上で契約してほしい。

auのガラホではLINEが使えないこともないが、まもなくプッシュ通知ができなくなる