落ち着いて正体を見極め
冷静に対応したい

――感染症センターでの対応はどのように。

 我々の病院では、これまで通りの体制で対応します。

 具体的には、発熱や呼吸器症状がある患者さんに接するときには、医療者も感染防止策としてサージカルマスクをつける。それは自分の身を守るためでもあるし、ほかの患者さんを感染から守ることにもつながります。つまり医療者も、普段から感染症対策をしっかりして、患者さんと接するということ。

 あとはやはり、武漢はキーワードですね。

 現時点ではまだやはり武漢の居住者やそこに立ち寄った方が感染する例が多いです。武漢から訪日・帰国した、あるいは立ち寄ったなどのキーワードを問診によって引き出します。渡航歴を聴取することで、検査すべき人かどうかもわかります。

 ここまでは、感染症センターでは特別なことではない、通常の診療そのものです。あとは疑わしいけれど軽症の患者さんをどうするか。

 軽傷の方まですべて入院させるのは合理性がないし、人権問題にもなりますので、慎重な対応が必要です。

 現状では、軽症の方に対しては、もちろんお帰りいただいていますが、ただ、仮に普通の風邪であっても他人にうつすのは不本意でしょう。まして新型肺炎の可能性もあるので1週間ぐらいお休みしませんかとお願いしています。

 一方、肺炎以上の重症度の方に対しては、入院して、しっかり治療するよう勧めています。生命に関わる病気ですし、あなたの持っている感染症を広げるのは、あなた自身本意ではないでしょうし、日本の我々としても本意ではないと、お願いして入院していただく。その上で検査をして、陰性になるか陽性になるかをみる、という形でやっています。

 これらはすべて、昨年の2月に改定された「疑似症サーベイランス」という仕組みにのっとって行います。これは、原因不明の重症の感染症の発生動向を早期に把握することを目的とする法律で、ある程度の重症の感染症、あるいはその疑いのある患者さんが、どういう原因で感染症にかかったのかを調べる仕組みです。