原油市場の投資家にとって、2019~20年の秋冬は稼ぎ時のように思えた。だがそこに、新型コロナウイルスが発生した。新型ウイルスの感染拡大により、中国では死者が数百人、感染者数も国内外合わせて数万人規模に達するなど人的被害が出ている。この新型ウイルス禍への世界的な対応は、金融市場にも影響を及ぼしている。ここ数カ月は比較的穏やかだった米国株式市場が再び不安定な展開となる一方、債券利回りは低下(価格は上昇)。コモディティー(国際商品)価格も荒い値動きとなっている。原油市場では、取引を非常にうまみのあるものにしていた状況が一変した。3日のブレント原油先物市場で2月限が3月限の価格を約1年ぶりに下回り、「バックワーデーション(逆ざや)」から「コンタンゴ(純ざや)」に転じたのだ。