電通vs博報堂。ヤマト運輸vs佐川急便。アップルvsアマゾンetc.
有名企業の決算書を徹底分析! 「儲かっている」のはどっちだ?
本連載は、誰もが知っている有名企業の決算書を対比させることで、「仕事に効く会計知識」と「経営分析の基本」を一気に学ぶものだ。著者は、「監査法人」「証券会社」「ベンチャー企業」「会計コンサル」、4つの立場で「会計」に携わった経験を持つ川口宏之氏。発売4日で重版が決まった『経営や会計のことはよくわかりませんが、儲かっている会社を教えてください!』の著者でもある。

Photo: Adobe Stock

メルカリの「強み」に迫る!

 本日は、フリーマーケットアプリの「メルカリ」の強みを分析します。強みの1つである「キャッシュが貯まりやすいビジネスモデル」に迫ります。

 メルカリの貸借対照表には、「預り金」という負債項目があります。2019年6月期は458億円もあり、負債の中で最も金額が大きく、しかも年々増えつづけています。この預り金とは、メルカリが一時的に預かっている「出品者が売った商品の代金」のことです。

 メルカリは、出品者と購入者の金銭の受け渡しに「エスクロー勘定」を採用しています。

 エスクローとは、売り手と買い手の間に中立的な第三者が仲介して、代金決済の安全を確保する預託サービスです。下図を見てください。

 販売代金は、購入者から出品者へ直接振り込むのではなく、メルカリが購入者から代金をいったん預かり、商品が無事に購入者の手元に届いた後に、出品者の銀行口座に振り込まれる形になっています。