アン・フルーレ
群馬県桐生市のパン屋「アン・フルーレ」

 そんななか、5年前に夫婦ともに62歳を超えた頃に体調を崩し、店舗の営業を辞めて、お得意様にだけパンを焼いたり、地元の大学などにパンの実習をするといった仕事のみを行うように。しかし、2年前にはそれらもすべて断り、完全に廃業しようと考えていたという。

「機械も老朽化していたし、アルバイトの子が結婚したタイミングで、ちょうど潮時かなと。子どもは東京で働いていますし、後継者もいないので、全部辞めちゃおうと思っていました」(赤石さん)

 同じく群馬県の伊勢崎市で、ケーキ&ベーグルのお店「アンフィーユ」を営む雨笠加世子さんは、1人でケーキとベーグルの製造と販売をするだけでなく、小さな子どもの世話と親の介護を行っていた。

 朝4時に起床して仕込みを開始。6時には仕事の手を止めて、自宅で子どもと親の世話をし、その後、再び準備を進めて11時のオープンを迎える。1人で切り盛りするため、営業中は製造と接客のどちらも行わなければならない。

「週3日の営業ですが、店休日は仕入れや仕込みもあります。5年前からは収入や認知度を高める目的で、日曜日に移動販売車で地元のパン祭りなどのイベントなどに出向いて販売することも。なので、子どもと休みにゆっくり過ごす時間はあまりありませんでした」(雨笠さん)

パンを冷凍する方法で
廃棄ゼロ、時間にも余裕が

 このような厳しい状況に置かれるパン屋を救う1つの策として、あるサービスが生まれている。それが、冷凍パンのサブスクリプションサービス「パンスク」だ。

 パンスクとは、地域のパン屋から仕入れた冷凍パンを、オフィスや個人向けにサブスクリプションモデルで卸すサービス。これによって、同社が厳選した全国各地のパンをオフィスにいながら味わうことができる。