米国におけるフォード・モーターと同様、ドイツのダイムラーにはメルセデスベンツという偉大なブランドがある。同社の建て直しは始まったばかりだが、賭ける価値はあるかもしれない。ダイムラーが11日に発表した2019年決算は、営業利益が43億ユーロ(約5150億円)と、前年の111億ユーロから減少した。衝撃的な数字だが、意外ではなかった。この1年は利益に関して何度か、直近では1月下旬にと何度か収益悪化を警告していためだ。やはり広く予想されていたのが大幅な減配だった。同社はリソースを守る必要がある。株価はあまり動かなかった。ダイムラーの筆頭株主、李書福氏が今年ダイムラーから受け取る配当は、昨年の3億3700万ユーロに対し、9300万ユーロにとどまりそうだ。そのため李氏は、保有する主要自動車資産である中国の吉利汽車(ジーリー)とスウェーデンのボルボ・カーズ(ダイムラーの競合相手)の統合計画を進めたくなるかもしれない。これにより、李氏の持ち株会社は数十億ドルを調達する可能性がある。