加えてロシアとの関係では、平和条約が締結される見通しはなく、北東アジアは複雑な要因で勢力バランスが変わる地域である。

 しかも日本は、エネルギーも食料も、さらに輸出品の原料も、大部分を海外に依存している脆弱な国である。

 いま、日本は戦後最大の国家危機に直面しているといっても過言ではない。

今こそ
日本の国家理念を考え直すべき

 米中の「日本封じ込め」は続き、日本の経済成長は期待できない。平和国家の看板が薄れ、「戦争か平和か」の岐路に立たされている。

 日本は世界最大の対外債権国であるのに、一部の大企業と富裕層以外は、日に日に貧乏になっていき、所得階差が拡大し、社会不安が醸成されている。そして近隣諸国との和解を拒否する政治が続いている。

「危険な国・日本」から脱却するには、日本はどうすればよいのか。

 現在の安倍政権の「戦前回帰の国粋主義」でよいのか、それとも、絶対に戦争しない「絶対平和主義」(専守防衛)でいくべきか。新自由主義国家か、福祉国家か。

 日本の最も望ましい国家観、国家理念を今こそ真剣に考え直すべきである。