ダイヤモンド決算報(新春)#ソフトバンク
Photo:Tomohiro Ohsumi/gettyimages

2019年7~9月期に過去最悪の7000億円の四半期営業赤字を計上したソフトバンクグループ。ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業の赤字は19年10~12月期も継続した。巨大投資ファンドの新規投資が足踏み状態で、今後は、既存投資先の株式売却が増える場面もありそうだ。(ダイヤモンド編集部 村井令二)

ビジョン・ファンドは小規模に?
11兆円規模の「2号ファンド」は見送り

「いろいろな反省を含めて今回は規模を縮小してやるべきだと考えた」

 2月12日の決算説明会。ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長は、10兆円規模の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の第2号の立ち上げを見送り、暫定的に規模の小さなファンドを立ち上げる考えを明らかにした。

 2号ファンドを巡っては2019年7月に1080億ドル(約11兆7000億円)の資金が集まる見通しと発表していた。米アップル、台湾・鴻海精密工業、米マイクロソフトのほか、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行の3メガバンク、第一生命保険、三井住友信託銀行、SMBC日興証券、大和証券グループ本社など日本の有力金融機関の参加を見込んでいたが、事実上、凍結された格好だ。

 19年7~9月期に過去最悪の7044億円の巨額営業損失をもたらす元凶になったビジョン・ファンド。シェアオフィス「ウィーワーク」を運営する米ウィーカンパニーの評価減や米ライドシェア大手のウーバーテクノロジーズの株価下落で、投資家の懸念が広がっている。

 孫社長が立ち上げを目指すと表明した小規模ファンドは「1~2年分の資金で」(孫社長)投資を始める。そこで再び実績を積み上げて投資家の理解を得た上で、正式な2号ファンドの立ち上げを目指すという。

 17年5月から運用を開始した「1号ファンド」の投資枠は1030億ドル(11.2兆円)。累計投資は805億ドル(約8.8兆円)で投資枠の上限に達しており、9月末までに新規の投資を終了している。

 足元では、SBGの自己資金のみで数千億円の新規投資を継続しているが、孫社長が情熱を注いできた巨大ファンド事業の運営は足踏み状態だ。