2000年代後半ごろからメディアでよく言われるようになった「若者の草食化」。恋愛や性に関して消極的な若者男子の代名詞として一般に定着している。しかし、実際のところ、そのイメージは正しい認識なのだろうか。武蔵野大学社会学部准教授で、著書『青少年の性行動はどう変わってきたか』(ミネルヴァ書房)がある林雄亮氏に詳しい話を聞いた。(清談社 福田晃広)

草食系の若者が
増えているのは確か

草食系の若者が増えていることは統計からも見て取れます
草食系が増えているのは調査結果からも明らか。一方、実は肉食系も増えているという Photo:PIXTA

「恋愛に興味がない」、いわゆる草食系の若者が増えているとよくいわれる。実際、そのような認識は統計的に正しいのだろうか。林氏は以下のように語る。

「草食系をデートやセックスの経験がなかったり、遅かったりするなどと定義するならば、約40年間継続して行われている『青少年の性行動全国調査』を分析した結果、そのような若者が増えているのはデータを見れば明らかです」(林氏)

『青少年の性行動全国調査』は、1974年から2017年まで8回にわたって、財団法人日本性教育協会(2012年4月1日から一般財団法人日本児童教育振興財団内日本性教育協会に名称変更)が「青少年の性の発達と行動の実態を全国規模で調査し、生育および家庭環境、社会と文化的環境などとの関連を明らかにすること」を目的として実施してきた。

 調査の対象は、全国の中学・高校・大学生(ただし中学生については1987年以降)。調査の動機としては、1970年代に「性非行の若年化」、「性犯罪の複雑化」、「週刊誌・雑誌における性的表現の解放化」など、性をめぐる社会的な現象が顕在化してきたことが挙げられる。

 たとえば、草食化の指標のひとつとなる性交経験率の推移を見ると、第6回調査(2005年)では、高校生男子が26.6%、高校生女子が30.3%だったのに対し、第7回調査(2011年)では、高校生男子が14.6%、高校生女子が22.5%と急落。

 第8回調査(2017年)にいたっては、高校生男子が13.6%、高校生女子が19.3%とさらに減り続けている。

 大学生男子、大学生女子も同様に、第6回調査時はそれぞれ、63.0%、62.2%だったが、第7回調査時は、53.7%、46.0%、第8回調査時は、47.0%、36.7%とやはり急減した結果となっているのだ。