東京都内でも区によって
「通いの場」の定義が異なる実態

 東京都でみると、箇所数で最も多いのは杉並区で984カ所、参加者の最多は1万6662人の葛飾区である。18年の高齢者人口は杉並区が11万8700人、葛飾区は11万2700人。23区内の7番と8番目で、それほど多くない。

 都内で人口規模が90万人と最も多い世田谷区は、高齢者数も18万1900人と最多である。だが、「通いの場」は218カ所で参加者は3390人にとどまる。

 世田谷区は、介護保険の総合事業で「住民主体の通所サービスB」を「地域デイサービス」として15カ所も展開するなど、地域住民の助け合い活動が盛んなところだ。それなのに杉並区に比べ、「通いの場」の箇所数と参加者が各20%、34%しかない。

 杉並区の箇所数は、2位の中野区を200近く、3位の町田市に500近くも差をつけ突出している。参加者でも、1万60人と23区内では第3位である。

 同区では「全体の9割近くは、『いきいきクラブ』などの『いきいき活動』です」と話す。「いきいきクラブ」とは、どこの自治体にもある老人クラブの杉並区での名称である。阿佐谷、天沼、井草など全地域に67のいきいきクラブがあり、同区から補助金を得ている。それぞれに、スポーツや音楽、手工芸など多数の趣味サークルがある。また地域住民が自主的に立ち上げたストレッチ体操や囲碁などの団体もある。

 これらすべてを「いきいき活動」として同区が掌握しており、「通いの場」と算定した。例えば、「ゆうゆう善福寺館」では、コーラスの千歳会、民謡の善福寺白寿会、日本舞踊の愛踊会など12団体が活動している。

 だが、世田谷区では93の老人会(高齢者クラブ)にやはり補助金を出しているものの、「通いの場とは考えなかった」と打ち明ける。杉並区とほぼ同人数の高齢者がいる板橋区でも、老人クラブは「担当する係が違うこともあり、念頭になかった」と話す。同区の老人クラブは12支部に133あり、会員は1万2000人に達する。

 また、参加者が最も多い葛飾区は、「社会福祉協議会(社協)が通いの場に該当する『小地域福祉活動』を行っているので、社協の全会員8000人をすべてカウントした」と話す。区内19の地区の自治町会連合会ごとに歌声喫茶やお茶飲み会などを開くのが小地域活動である。だが、同区社協では「必ずしも社協の会員が皆参加しているわけではない」と首をかしげる。