ビジネスの世界では、メインシナリオ「プランA」が実現しなかった場合を事前に想定した、別の行動計画「プランB」を持たなければならないとされている。しかし、新型肺炎への対応を見ていると、日本社会は「プランBの精神」がないのではないかと心配になる。それは個人の人生やマネーにおけるプランにおいても同様だ。(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)
新型肺炎への対応で心配になる
日本は「悪い想定」が苦手な社会?
新型肺炎への対応を見ていると、日本の社会は「悪い事態」を想定することが苦手なのではないかと心配になる。
行政も含めて、多くの人が「新型肺炎問題は季節が春になる頃には収束し、その後は東京オリンピック・パラリンピックに向けて景気も世間のムードも盛り上がってくるだろう」「必要以上に騒いで、風評被害の責任を取らされるようなことは避けたい」というくらいに思っているかのようだ。