パンの原価の大半を占めるのは家賃と人件費。それらが安い地方のパン屋には、実はおいしい店がたくさんある。独自の冷凍技術で、こうした地方のパン屋の商品を、味を落とさずに配送できる体制を整えたパンのサブスクサービス「パンスク」が、全国のパン好きから人気を集めている。
パンの出荷数が1年で4倍!
サブスクサービスが起爆剤に
群馬県前橋市のベーカリー「アルファルファ」は、地元でおいしいパン屋として人気を集めている店だ。1986年の創業から30年以上パンを作り続け、今も次々と新しい製品を発表している。
天然酵母を使ったパンが主体で、生地や具材はできるだけ自家製のものを使用。体に悪いとされるトランス脂肪酸を含むマーガリンは一切使っていない。
とりわけ人気が高いのが、クリームパン。基本のカスタードクリームをはじめ、チョコレート、モカ、抹茶、桃を使った自家製クリーム入りの5種類が高い評価を受けている。
こちらのアルファルファ、実は1年前から出荷数が大幅に伸びているのだ。なんと4倍まで増加しているという。その理由は、「オフィス・パンスク」というサービスに登録したからである。
オフィス・パンスクは、全国のベーカリーから厳選されたパンが月替わりで届く「パンの定期宅配サービス」である。焼きたてのパンが独自の冷凍技術により、おいしさをキープした状態で全国のオフィスに配送される。極上のパン、めずらしいパンが届くとあって、パン好きの間で評判が高まっている。
アルファルファの須永光一社長は話す。
「以前、当店でも焼きたてのパンを冷凍してお客様に送るネット販売を行っていたことがあるんです。でも遠方に送る場合、配送料が高くなり、なかなか利益にはつながりませんでした。その後、オフィス・パンスクを知りまして、もう一度やってみたいと思うようになったのです」