セキュリティー面では、セブンがNECと組んで実施しているのが顔認証、NTTデータとやっているのがQRコード方式。ローソンは富士通の顔認証と静脈認証を組み合わせたマルチ生体認証方式だ。

 両社ともに、今のところ、それぞれ組んだ相手の社員向けの実験にとどめており、まだ一般消費者向けではない。

「セブンでは実験の期間を切っていない」というし、ローソンでも「今夏に都内に一般消費者向け店舗を出店する」とソロリと動き始める格好だ。

 というのも、まだクリアすべき課題が少なくないからだ。セブンイレブンでは袋の形状が変わったりする商品についてはAI(人工知能)に種々学習させなければならず、正答率は100%に近いというが、改善の余地があることを示唆する。

 ローソンも商品が軽重で識別できないことや、同時に類似した形状の商品を手にとって、どちらかを棚に戻した時に100%識別できないこと、決済結果が専用のアプリに届けられるまで時間を要することなどもあるという。

今年か来年くらいが
「レジなしコンビニの元年」に

 それでもこうした課題も克服して、今年か来年くらいが「レジなしコンビニの元年」になるとみられている。だが、問題はそれからだ。

 コンビニ大手がレジなし店舗の開発を急がないのも、既存店に導入するとなると多額の投資が必要となるし、それに見合うリターンが見込めるかどうかという根本的な問題が横たわっている。

 米アマゾン・ドット・コムはレジなしコンビニで先行、2018年の立ち上げ当初、21年までに3000店を展開するとぶち上げたが現在はまだ約200店どまり。投資額に対するリターンが見合わないからだという指摘もある。

 しかし、人手不足に直面するコンビニにとって、レジなしコンビニくらいしか、その解決策は見当たらない。コンビニ本部にとって、もはや悠長に構えている時間はないのだ。